【竹島問題】「竹島」と「独島」の間に「盧武鉉ライン」を引くのはどうか?
2004年の5月に、
【パレスチナ和平】イェルサレムをバチカン化すべきだ。 【領土問題】竹島・尖閣諸島・北方四島
という発言をしていたが、多少考えが変わった。
日韓双方のウヨクの人々を見ていると、領土問題は彼らにとって、単なる「面子」程度の代物に見える。もしくは被害妄想で凝り固まっているかだ。
「無闇な妥協も沈黙も拙いが、好戦的な論議は、全く無意味だ」という発想は、彼らの頭にはないようだ。
孫子は「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」と言っている。戦争好きのブッシュは孫子を軽蔑しているか、そもそも孫子を知らないかのどちらかだが、日韓双方のウヨクも、その点は大差ない。
見栄や面子は、基本的に百害あって一利なし。
虚飾は、無益で害になるものだからだ。
だから、面子というのは、実に卑小な代物であり、被害妄想は己だけでなく周囲を不幸に陥れる「心の病」でしかない。
その、卑小な「面子」の点にばかりこだわり、大局を見誤る人々というのは、古今東西たくさんいる。
そろそろ、ちょっと視点を変えて、手の打ち所を模索すべきだろう。
領土問題は本来、心理的圧迫の問題だ。
他国に領土を取られてしまうことで起きる、経済的その他の損失以上に、相手国から受ける、強い心理的圧迫のほうが大問題だ。
あらゆる動物には、テリトリーというものがある。人間も、例外ではない。
テリトリーを侵害されると、たいてい精神的安定を失ってしまうものだ。
現代の、この人口密集の時代では、感覚が鈍磨しなければ、大都市圏では生活できないだろう。だから、テリトリーと言われてピンと来ない人も多いと思う。
だが、最低限のテリトリー(と本人が無意識に認識する領域)が確保できなければ、精神が不安定に、たいていは反社会的に病んでしまう。
人間に国や領土が必要な理由の一つには、精神的安定のために欠かせないこともあるのだろう。
だから、最終的には、どの程度、隣国から精神的圧迫を受けてしまうか、それをできるだけ考慮して計算しなければ、問題は解決しがたいと思う。
竹島は、とても不都合な位置にある。
韓国本土の慶州市・江陵からの距離が、ちょうど、松江市からの距離とほぼ等しい。
つまり、小さな島々を度外視して経済的水域の境界線を引くのなら、その境界線上に、まさに竹島が存在するのだ。
竹島が日韓のどちらに入れば、広大な水域が一方の国だけが行く事になってしまう。そして、相手国の距離が事実上、異常に近くなってしまうのだ。
だからこそ、日本にしろ、韓国にしろ、譲れないわけだ。
韓国側が怒ろうとも、長年持っていた漁業権を放棄することに、日本人の大半は納得しないだろう。多くの日本人は、武力で強引に韓国側が「竹島を奪った」と考えている。「韓国から長年不当な権利侵害を受け続けて来た」と、怒っている日本人も結構いるだろう。
韓国が竹島を独占すると、莫大な漁業資源が永久に韓国に奪われてしまう事になる。
日本人に比して魚介類をほとんど食べない韓国人は、結局、その漁場で採れた海産物をほとんど日本に売るだろう。松江付近の漁民が、自分達が江戸時代から採ってきた海産物をな、金を出して買うことになるから業腹だと、怒るのも当然だ。
逆に、韓国側から見ると、韓国に近い位置を日本に取られてしまうのは、相当の精神的苦痛なのだろう。
日本人が内々に独立を約束しながら反故にして、韓国を強引に併合してしまったという、屈辱的な歴史を思い出しては、民族的誇りを傷つけられる機会がまた増えてしまう。
日本が竹島に軍事基地を作るつもりがなくとも、「韓国近海に韓国本土へ侵攻しやすい地点を、日本に渡してしまう」という、精神的不安を強く感じるのだろう。
被害妄想だけだとは、言い難いと思う。
中韓がそうであるように、日本も随分右傾化しているからだ。
韓国が戦前竹島の領有を主張できなかったのは、自国を日本に占領されていたからだ。
同時に、日本も、角を立てて極東の安全保障の枠組みの邪魔になるのを恐れて、竹島問題を口にせずに来たのだ。
きちんと主張し難かったのは、日本も韓国もお互い様だ。
それぞれに事情があるだろうと言っても、納得できないだろうか。
そもそも、竹島(韓国名「独島」)は、実は一つの島ではない。
どう見ても、二つの岩礁から成り立っている。双子岩の島なのだ。
どちらかの島が必ず、日本寄り、どちらかが韓国寄りの筈だ。
だから、日本寄りの岩礁のみを「竹島」とし、韓国寄りを「独島」と再命名するのだ。
そして、「竹島」は日本固有の領土、「独島」は韓国固有の領土と認め合い、
その「竹島」と「独島」の間に、李承晩ラインならぬ「盧武鉉ライン」を引き、海上の国境をここにきちんと設定しておくならば、どうだろうか。
暫定海域も、きちんと東南側半分は島根県民が操業できるようになり、漁業基地を「竹島」に作れるだろう。
その間の狭い海峡で日韓双方のウヨクが激突しないように配慮すれば、問題は相当解決するのではないか。
そもそも、今回の騒動に関して、支持率が下がると靖国参拝を支持率復活に利用する小泉首相の手法が問題だと思う。
靖国は、アジア諸国を占領するのに多大な力を果たした、「非正統」の神道の牙城である。
現天皇家が望むような、穏健な神道のあり方とは、相当ずれている。
靖国が慰霊施設に全く相応しくない「宗教」施設なのだから、「無宗教の慰霊施設を別に作ってくれ」というのは、私も若い頃から思っていたが、そういう声は長年、いつも黙殺されてきた。
福田元官房長官が総理になったら、実現するのではないかと、多少は期待しているのだが。
盧武鉉大統領にも、「国内の支持率対策に竹島を利用した」と言う批判もあるが、
私は一応、「立場上、言うべき事を言ったまで」と見なしてよいと思う。
竹島について日本人も日本の教科書に書く権利はあると思うが、「韓国に不法占拠」と書いて、日本の子どもに反韓感情を強化する教育をするのは、望ましくない。
世界のほうが、日本のように狭くなってしまったのだ。
韓国はもう、遠い国ではなく、「隣の村」のように考えるべきだ。
常に協調して仲良くやっていくべき時代になったのだと思う。
中国の問題のほうが厄介だろう。韓国の反応のほうが、理解の範囲内である。
今、韓国人の良いところを素直に評価できる時代になったと思う。
サムスンやヒュンダイの成功には敬意を感じる日本人も多かろうし、韓国の文化戦略は大いに成功している。
ヒュンダイは、もっとハイブリッド車を強化すべきだ。
北朝鮮にナタネを栽培させて、ナタネ種油で動く自動車を、ヒュンダイが売り込んではどうか。
そして、ナタネで排出権取引をすればいい。
燃料用のナタネ油を、覚醒剤の代わりに売ればいい。その代わりに、太陽光発電や風力発電、燃料電池などの技術やプラントとか買えばいい。
時代遅れの核開発や、石油に依存する体質を、北朝鮮も改善するべきだろう。
北朝鮮は瀬戸際外交だと言うけれど、日本も韓国も中国も「瀬戸際内政」のようだ。
死者を最小限で抑える形での、南北統一を望むし、中国で大きな内乱が起きない事を望む。
人口十億なら、内乱で死ぬ人を1割と仮定すると、1億人も死んでしまう計算になる。
「1億人死のうと、それは中国人だから俺たちには関係ない」と考えるような、脱亜論に毒されきった差別好きの日本人も、確かにいるだろうが、
「下手して、大混乱が起こって、他国民でも1億人死んじまったら、寝覚めが悪い」と考えて、日本人は多少の事は忍耐するしかないのではないか。
盧武鉉大統領は、ドイツの教育を誉めていたが、そう考えるなら、日中韓で十分相互に検証して歴史教科書を作るようにするべきだろう。日韓では、副読本のたぐいは共同で制作をしているようだが、昔から右に偏向しすぎている文科省に、そろそろ考えを改めてもらいたい。
中国も、高麗を「中国の王朝」などと言うべきではない。
南京大虐殺はあったろうが、偽物写真を大量に作り、被害者数を広島・長崎の死者以上に増殖させるなどという、迷惑なプロパガンダをやった、一部の愚かな中国人を、私は恨む。
日本国内にあっても、より正確で均衡の取れた世界全体の歴史を考えていってもらうためにも、大きな阻害要因になってしまったからだ。
実際に殺されたのは、中国公称の30万人以上ではなく、どうも5万人から10万人だったらしい(普通は12万から20万と言われているが)。「だから、白髪三千丈の国の言うことは、いい加減すぎる」と言われてしまって内外共に面倒なことになるのは、中国のほうではないのか。
問題は、中国の被害者数増殖プロパガンダの影響で、「そもそも南京大虐殺は全くなかった」と言い出す日本人が、近年激増してきていることだ。
どう考えても、ゼロはありえんだろう、ゼロは。
その辺の検証をきちんとしないならば、問題は大きくなり続ける。
同時に、何でも日本ばかり悪者にして片づけるのも止めさせないと、将来のために良くないのだ。自国の国土を十分防衛する方策を考えられなかった清朝と李朝に全く罪がないと考えるのはおかしかろう。
特に清朝は、中国全体の教育水準を徹底的に下げたという大罪を犯している。そのために文化的遺産の大半を失う羽目になったし、自国を防衛するのに必要な人材を育成できるようになるまでに何十年もかかっているのだ。その上、文化大革命のような愚挙を行ったし、今も言論統制のため、文化再生に多数の妨げがあるのが現状だ。
日本も、共同防衛構想を「蛮族が何を言うか」と両国に侮蔑的に一笑に付されたからと言って、自国を守るためにはこの二国を占領すべきと考えたのは、行きすぎだったろう。
だが、麻薬を強引に売るために戦争を起こし占領した国の事を、中国は昔から恩人のように扱い続けている。その麻薬を押し売りに来た国とその同盟国を近隣から追い払おうとした日本だけを、「諸悪の根源」と中国が見なすのは、本当に納得がいかない。
おそらく、過去千年以上「蛮族」と蔑んでいた国が、中国が西洋列強に占領される前にと侵略した事に対する、自尊心の問題程度に思われる。何分、そのままにしておくと、日本も英露どちらかの植民地にされかねない状態だったのだが。
もちろん、独立の約束を各地で反故し続けていった日本軍部の悪辣なやり方を、すべて正当化するつもりは毛頭ない。ただし、そこまで当時の日本が精神的に追いつめられていた点を、加味して考えるのが、均衡が取れていると私は思うのだ。その元凶の一つに、清朝が長年無為無策を続けた事もあるのだ。
中韓が日本の歴史教科書に口を出すならば、それを逆に好機として生かし、中韓の歴史教科書に対して、日本が口を出す権利を確保すべきだろう。
だが、中山文部科学大臣は、あまり見識があるほうだとは思えない。発言の中身が、差別好きの西村慎吾議員と大差ないではないか。南野法務大臣と一緒にそろそろ辞めてほしい。もう一人の例の人物にも、是非、さっさと辞めてほしいのだが。


<見栄や面子は、基本的に百害あって一利なし。
虚飾は、無益で害になるものだからだ。
だから、面子というのは、実に卑小な代物であり、被害妄想は己だけでなく周囲を不幸に陥れる「心の病」でしかない。
力作のTBに感謝しています。
ほんとうに竹島を領有してどんなよいことがあるかと考えてみると、両国の国民にとって有用な道を探れないはずはないと思うのです。
国民同士が対立し軍事予算を使う方が無駄な出費ではないでしょうか。
Posted by: kouhei | April 16, 2005 at 10:31 PM
りーとさん、kouheiさんのおっしゃる通り本当に力作のTBありがとうございました!TBいただいた記事、書かずにはいられなくて書いてみたはいいものの、中途半端なことしか書けず悶々としていたところへ、「誰か教えて!」というメッセージを聞き取って、スポッとつぼにはまる球を投げてくださったこと、感謝です。
>より正確で均衡の取れた世界全体の歴史
という観点、本当に大事だと思います。
Posted by: Salieri T. | April 18, 2005 at 03:57 PM
日中韓、どこの怒れる連中も油と天然ガスにしか興味ないんでないかい
尖閣、竹島付近の地下埋蔵資源だけで、どの国も一気に世界屈指の好景気に踊れるわけだし、いま起こっている中国の反日デモも、「尖閣諸島はわれわれのものだー!」のプロパガンダまみれだし、アレですわ、けっきょくカネですわ
みんなで分ける、という発想もないカネの亡者たちの墓場の運動会かと
Posted by: AMNESIac7 | April 18, 2005 at 08:01 PM
日本にとって竹島/独島って、
「ここぞという時のためにとってあるカード」なんじゃないでしょうか。
最終的には渡さざるを得ないにしても、そのタイミングは
最大限利用しないともったいないっていう感じの。
どのみち、日本海の様々な資源は、周辺国で総量規制的にシェアするほかないわけですから、
そういう議論がもうちょい具体化して、韓国との交渉があと一押しで有利に進むってときに、
「日本は韓国の独島領有を認める」ってやれば、これはいろいろと効くんじゃないでしょうか。
なんかそういう力学を考えず、ヒステリックに領土問題を叫ぶ連中ってのは、
手駒として少しはいてくれないと困るけど、今みたいにやたらいるのはまずいっていうか、なんというか、
中国政府にとっての反日デモ大暴走問題と、同じようなものですか?
Posted by: ko | April 18, 2005 at 08:23 PM