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January 02, 2007

【医療行政・近況】厚労省と国を恨むしか無い...。

症状が出始めてから、十数年。
耐えかねて、医師に頻発する激痛を訴え続けて、八年。
大半の医師に信じてもらえず、友人知人はおろか、家族にさえ信じてもらえずに来た。
昨年の夏、幼馴染のN君が、ここ二、三年特にひどくなった右上半身の痛みが、腹痛をこらえていたため外傷性顎関節炎が悪化したものと突き止めてくれた。
そのお陰で結果的に、癪(しゃく)の発作だったと判った。
後々よく考えてみると、胃けいれんが軽かったせいか、個人的には胃けいれんよりずっと痛かったのだ。だが、消化器のけいれん痛だとは私も気づかずにいた。元々、色んな意味で鈍いほうだが。
婦人科も消化器内科も、私が訴える痛みを信じてはくれなかった。

痛みというものは、他人の眼に見えはしない。
表現するのは意外に難しく、相手に伝わるように充分説明できるとは限らない。
幼馴染のN医師は、外傷性顎関節炎という診断が下す前に、レントゲンやCT等で異常が見えないにもかかわらず、「治療的診断というものがあります。まず、外傷性顎関節炎として治療して、薬が効いたら顎関節炎ですよ」と言って、薬を処方した。
右上半身の症状は劇的に緩和され、結果的に各所に走っていた痛みの原因が外傷性顎関節炎だと突き止めてくれた。
他の医師に、顎の治療でよく効く消炎鎮痛剤を毎食後飲んでいるのに、腹痛は相変わらずとても辛いと訴えたところ、「そんな痛みは有り得ない」と、初めて腸がけいれんを起こしている可能性を医師が考えてくれたのだ。
それまで、月経前症候群の下腹部けいれん痛である可能性を考えて、「試しに鎮痙剤(けいれん止め)を処方してみますから、様子をみて下さい」等と言ってくれた医師は皆無だった。

過敏性腸症候群としか考えられない症状なのだが、睡眠中にも強い痛みで起こされてしまう。そのため、婦人科でも消化器内科でも「過敏性腸症候群ではない。気のせいだ」「大袈裟だ」と決めつけられてきた。当然、かなり重い不眠症だった。
けいれんの可能性に気づいてくれたのは、痛みの原因が月経前症候群に関連があると考え、長年睡眠薬と漢方薬を処方して下さっていた精神科医のK先生だった。
ほぼ毎月二週間ほど、四、五時間ごとに三十分は続いていた痛みが、ブスコパンを飲むとたったの十分以内に治まる。
月経前症候群に下腹部けいれん痛があるのは、患者用のメルクマニュアルで見つけたが、医師用のメルクマニュアルには書かれていない。
なぜなんだろう? 知らない医師も多いのに...。

「今までの病院の対応は、余りに酷いじゃないか。各科の連携が無さ過ぎる!」と怒ってK先生に言うと、「どの科の先生も席の温まる時間もろくにないし、研修の機会もろくにありません! みんな、過労状態で必死に頑張ってるんですよ!」と逆に怒られてしまった。つまり、病院側が悪いのではなく、患者の私が(当然、医師の側もだが)イライラした状態だったため、上手くコミュニケーションできなかったのが原因だという。

よく考え直してみた。
通っている病院は、自宅から五十キロ圏内で、最も設備と人員が揃っている病院だ。他の市町村では、医師不足がずっと進んで、大抵の公立病院では多くの科で診療を維持しにくくなっている
この状況は、東北六県全体で起こっている現象であり、実は状況は戦後ずっと大して変わってはいない。ここ数年一層酷くなっただけだ。
これが原因で生活習慣病等別の命に関わる重病に何時なってもおかしくなかったのだが、別の病院のお陰でもっと悲惨になる前に発見されたわけだ。
当然、病院に金銭的補償を求めようなど、全然思っていない
そんなことをしたら、もっと医師不足が進んで、もっと多くの知り合いが周囲でどんどん亡くなっていくのが関の山だからだ。

一つ、考えさせられた点がある。
医師不足とは、優秀な勤務医の不足であり、優秀な勤務医はむしろ、経済的に裕福な家庭では出にくいのではなかろうか。

はっきり言って、勤務医は儲からないそうだ。その上、激務だ。
何よりも、忍耐力と平常心が求められる。
幼馴染のご両親が共稼ぎで、医学部・大学院と送り続けるのにどれだけ苦労したかは、長年近所に住んでいるだけによく知っている。このお二方が頑張って下さったお陰で、とりあえず十数年苦しんだ痛みの対処療法が見つかったわけだ。
40代の幼馴染が国立大医学部を卒業した時よりも、現在は国公立大医学部の学費がはるかに高くなっている
優秀な勤務医が少なくなって当然だろう。
現状を維持し続ければ、日本の医療の質はどんどん下がり続けていくだろう。
結局のところ、厚労省と国が地方、特に東北六県を長年見捨ててきた結果、私が痛みを抑えるには、十数年間プラシーボ程度にしか効かない鎮痛剤しかなかったわけだ。

医療と市場主義や新自由主義は、そもそも、あまりそぐわない。
人を助けることや、救うことというのは、経済的な論理だけでは成り立たない。
それは、教育も同じだ。
人を生かす、活かす、育てる、育むということも、利己主義やエゴイズムが事実上最優先の市場主義・新自由主義から生まれてくるものではない。
それらを超えたところにある、いわばマズローの第五段階とかヒューマニズムから来るものだからだ。

例えば、TVタレント化している女医の西川史子さんは、専門が美容整形なので、市場原理主義に従って生きていても、全然問題ないのだ。比喩ではなく、彼女に命を救われる患者は初めから事実上皆無なのだ。火傷等の後遺症以外の美容整形は、突き詰めて行くと、患者の自己満足でしかなく、説得やメンタルケアのプロさえいれば必要ないとさえ言えるからだ。
「TVのキャラは演じているもの」と言うが、西川さんと同じ発想では、優秀な勤務医になれる素質は初めから無いだろう。
そんなことが、優秀な官僚や政治家の方々や、有識者と呼ばれる方々の大半には、なぜ判らないんだろう?
頭で理解できても自分達にとって何らメリットがないから動く気がないだけじゃないだろうか...。当然、ご本人の志も、マズローの第五段階もヒューマニズムにも無縁になるだろうが...。

時の勢いがないならば、集団の三分の二以上の人々を動かすのには、正論よりも、巧妙に理論武装された潜在的恐怖やエゴイズムのほうがはるかに有効だろう。
歴史学や社会心理学を多少囓れば判る話だが、何とも情けない話だ...。

<追記:近況報告>
新年早々、不景気な話で大変申し訳ありません。

病名がほぼ確定したのは、ブログ再開の予定を書き込んだ後のことでした。
休止の直接の原因は外傷性顎関節炎の悪化だったわけですが、病名が確定された結果、逆に相当精神的にダメージを受けました。
結局自分が訴えてきた通りの病状だったのに、周囲の人々に長年信じてもらえず、暴言ばかり聞かされてきたというのでは、情けないですが、克服したつもりの人間不信がどうも「再発」しやすくなります。
私が訴えてきた苦痛を「大袈裟だ」とか、専門用語では『身体化症状』と言うのですが「存在しない痛みを訴えている」等と誤解してきた両親の自責の念もかなり大きいものです。特に、真面目な人だけに、継母の落ち込みようは少々強いです。

こういう状態で何年も耐えていただけに、ブログを書くのなら「出来るだけポジティブな話にしよう」「ささやかなりとも、多少は人様の役に立つネタにしよう」等と考えてきました。少々力みすぎと自分でも思っておりますが、読んで下さっていた方々には、その辺の気持ちを察して下さった方がかなり多いと感じております。
『闘病』の張り合いにもなっておりました。生死がかかるわけではありませんが、痛みは辛く苛々しますし、横になるしかない時も多いだけに、体力を消耗し元に戻すのも毎月大変です。

書き続けるよう励まして下さっていた方達に大変申し訳なく思いつつ、書き出せば陰鬱な恨み節ばかりになりそうで、少々精神的に落ち着いてからにしようと考えておりました。
足の肉離れの後、急激に症状が悪化しました。血行が良くなれば症状は軽くなるようですので、今年は体力増強目指し、広池秋子さんの本でヨガをやりつつ、何とか癪の発作を起こしにくい体質に変えて行きたいと考えております。

明るい話題が乏しい昨今ですが、皆様が今年一年良いお年でありますよう、お祈り致します。




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Comments

【妊娠の兆候@生理前・初期症状のチェック】のまーです。
訪問&コメントありがとうございます。
本の紹介から、症状、予防策まで、いろいろとありがとうございます。とても参考になりました。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。

はじめまして。りーとさん。
表では書いてないんですが、現在だいぶ参っているエレニです(笑)

何度か読みに来た事はあったんですが、ずっと書いておられなかったので他人事ながら心配しておりました。私も体に問題がある身でして、実は少し前この記事読んだらとBB氏に勧められて読みに来ていました。なかなか、難しいですね現実は。病気そのもの以外にも苦しめられる所が多いのに非常に身につまされまして。
西洋医学の意識の限界、というものも思い知らされてきましたが、おっしゃるとおり医療体制の問題もだいぶ深刻になってきているようで。

床の間のシリーズは読んでからしばらくいろいろと考えてました。子供の頃の記憶、というのは似たような感想を持ったことがあって、意識に留めないという事自体が酷薄さであるというのか、断絶であるというのか、うまく言えませんが。こういう齟齬が生み出す人との溝はもう埋めようがないですね。特に近しい人とのそれが多くの人にとって、人生の中での日常的でありつつ深刻な苦しみなんでしょうけれども。

世の中、難しい問題は本当にいくらでもあるもので…。

「世の中、そんなものさ」とうそぶいて格好つけてみても、自分の状況が変わるわけでもない。周囲の状況も変わるわけじゃない。

自分が苦しんだ分だけ、人が苦しむのを防げれば、少しは自分の苦しんだことに意味があったと思えて、報われた気持ちになれるからこそ、余計なお節介など言うわけです。
言ったら言ったが、「偽善者」とか「偉そうに」と周囲からまた、嫌みや嫌がらせを言われたりすることが大半です。
そもそも、自己満足の部分も多いのは自分でわかった上で言っていても、「所詮、あんたの自己満足だ」と決めつけられることも多いし。
「そんなに言うなら、もうちょっと建設的な解決策でも言ってくれよ」と思うのですが、言わない人ほど他人をくさすことが多い。くさす人はくさしていることで、「自分は賢い」と思いたいという、それこそ自己満足のためにくさしてるんじゃないかとは思いますが、そうでない場合もまれにあるので、一概には何とも言えない…。

何も言わなければ非難されないだろうけど、「それって、人を見捨ててる薄情さを無意識に誤魔化しているときも、かなりあるんじゃないだろうか」などと…。

考えれば考えるほど、世の中、難しいものです。
でも、考えようともしないで人を決めつけてるよりは、「考えてたほうが、何かの解決に近づくかもしれない分、まだましかなあ」と思いはしますが。本当に難しい。
父など、「相手のためでも余計なことは言わんでくれ」とよく言います。
「多少恨まれても、結局本人のためになるなら、良いじゃない?」と言ったら、
「お前が周囲に悪くとられるのが、俺には耐えられんのだ」と言って男泣きをしているのを一度見た時は、本当に困りました。余計なお世話はもう持病ですが(笑)、本当に難しいものです。

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