世界は 花々であふれていたのに
世界は 花々であふれているのに
見ようと思わぬ者には 見えてはいない
ありふれた幸せのように どこにでもあるはずなのに
世界のどこかにいつでも 春も花も溢れてるのに
眼を見開いて しっかり見つめなければ
見えて来ない時も 確かにあるのに
なぜ 気づかない人がいるのだろう
そこにも ここにも 花はあるのに
タンポポやハコベとて 確かに花なのに
なぜ 花屋の店先でなければ 花ではないと思うのか
真闇を独り歩き続け 一気に開けたように
福寿草に水仙 梅 桜 鈴蘭と
北国の春は 駆け抜ける花で満ちているのに
そこにある静かな幸せが 見えてくるまでに
なんと長い年月が かかったことだろう
世界は 花々で満ちているのに
憤る者には 紅蓮の炎が充ち満ちて
哀しむ者には 青白い薄闇ばかり
そこにある当たり前の花々が なぜ見えていないのか
澄み渡る空の下 大地の上に静かに
花は いつもあったのに
あふれていたというのに
なぜ いつも見えずに来てしまったのだろう
当たり前のことに素直に ありがとうと言える
それだけで 良かったのに
もっと早く 出来てさえいれば
誰も 不幸にならずに済んだのに
知識を集めさえすれば いつか智慧へと至るはず
己を救い 人も救う そんな日が来るはずと
思い上がっていたことこそが
浅知恵だったとは なかなか気づけずに
世界は常に 花々で満ちていたのに
哀しみも絶望も 要らぬものだったのに
己の愚かしさ 浅はかさだけは 見抜けずにいた
それが 私の不幸の始まりだった


Comments